熱がなくても、ふだんと違う風邪なら要注意
2026.4.21
「ほかの病院でも診てもらったけど、熱もないし、風邪でしょうと言われたんですけど、なんだか調子が悪くて…」と、高齢者の患者さんが少しかすれた声でそう言いました。
その声を聞いて、確かに熱はないけれど、だるそうで顔色も悪い…胸騒ぎがします。
そんなときは『CRP』と「白血球」の数値を、すぐに血液検査で調べます。その数値が高いなら、さらに肺のレントゲンを撮ります。肺に影がある・・・。
「これは大変!肺炎だ!」。すぐさま大きな病院に連絡して入院です。
また別の日、ある患者さんが「ここ2週間くらい、咳が長引いていて…」と不安げにやってきました。
彼女は20年来の糖尿病歴がありますが、あまりコントロールが良くなく、うちに転院してきた時から血糖値がなかなか下がらない状態でした。
たしかに顔色が良くないなあと思いながら足を見ると、ずいぶんむくんでいます。
またもや胸騒ぎ。
もしやと思い、胸のレントゲンと心電図の検査を追加したところ、心筋梗塞であることが分かりました。
心筋梗塞が起こると普通なら痛くて動けないところですが、彼女の場合は長年の糖尿病によって神経が鈍くなっていて、胸の痛みをあまり感じないでいたのです。
心臓の動きが悪くなり、肺に水がたまって、咳が出続けていたというわけです。
すぐさま救急車を呼んだのですが、患者さん自身はびっくりして「そんなおおごとになっていたとは!」と信じられない様子でした。
もしも私も「風邪かな?」と、この患者さんの心筋梗塞を見逃していたらと思うとゾッとします。
患者さんの“いつもの様子”と、“いま目の前にいる様子”の違いを見分ける目こそ、今後も私が磨いていきたい診療術だと思っています。

熱がなくても肺炎のことがあります
